最初のブラ1
私が最初に聴いたブラ1は、このカラヤンの63年盤です(最初のドリームプライス・シリーズで)。
以来、カラヤンの80年代、バーンスタイン、ヴァント新旧、ケルテス、ベーム60年代、ジュリーニ60年代、ベイヌム、ワルター&コロンビア盤、ショルティ、小澤、ティーレマンと遍歴を経ましたが、いつもカラヤン盤に帰ってきます。
最高の第1番
カラヤンが1963年にベルリン、イエス・キリスト教会で振った
ブラームス交響曲第一番だ。
第4楽章で、歓喜の歌に似た主題への導入で長調になる部分ではホルン、フルートが朗々と歌い上げている様が素晴らしい。
テンポがかなりゆっくりなのだが、フルート部分は神々しさを感じさせるほどの素晴らしさ!この録音の聴き所のひとつだ。
最後の最後の閉めは、さすが、カラヤン−ベルフィルだ。
圧倒的な金管楽器の音量と、完全にシンクロした切れのよさが
相まって、まさに「聴き終わった〜!」という感じがする。
他の演奏だと、どうしても「あれ、これでお終い?」というような迫力のなさを感じる事が多いのだが、さすがだ。
カラヤンの最後のデジタル録音版と比べても、やはり、
こちらのほうをお勧めしたいと思う。
カラヤン最高の演奏
カラヤンの1960年代を代表する演奏である。
カラヤンとベルリンフィルはこの頃、もっとも親密な関係にあり、数多くのカラヤンの名曲を発表したのもこの頃である。
そのなかで、この1963年10月の録音はベルリンフィルのカラヤンに対するやる気が伝わってくる。
木管楽器の名手たちの演奏も見逃してはならない。
第1楽章の重厚さはなんと表現したらよいのだろう。
これこそカラヤンとベルリンフィルの最上の演奏といっても過言ではない。
第2楽章のブラームスらしい演奏も心に染み渡る美しさを持っている。
特にソロヴァイオリンのなまめかしい演奏は素晴らしい。
第3楽章も木管楽器の響きが見事な調和を作り出している。
最後の第4楽章のフィナーレもトランペットの力強い演奏で締めくくる。
まさに隙間が無い無駄の無い演奏といってよいだろう。
これとカップリングして入っているハンガリー舞曲集も見逃してはならない。
これからブラームスを始めるという人も、カラヤンをもっと知りたいという人もお薦めのCDだ。
ぜひあなたのお手元に1枚置いておくべきCDだと思う。
ブラームス:交響曲第1番
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
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